奥利根 日崎山(1396.6m) 2015年5月9日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:28 矢木沢ダム−−6:33 左岸道路終点−−6:38 観測小屋−−6:52 981m峰−−7:50 1300m峰−−8:15 1360m峰−−8:28 日崎山(休憩) 9:18−−9:54 1300m峰を巻く−−10:30 981m峰−−10:39 観測小屋−−10:44 左岸道路終点−−10:51 矢木沢ダム

場所群馬県利根郡みなかみ町(旧水上町)
年月日2015年5月9日 日帰り
天候曇後小雨
山行種類残雪
交通手段マイカー
駐車場矢木沢ダムに駐車場あり
登山道の有無無し
籔の有無全行程の半分程度が籔漕ぎ。現状では出ている籔は薄くはないが激籔でもなく割と楽だった
危険個所の有無無し
山頂の展望南と西が開ける
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント管理道開通後の最初の週末にアタック。DJF氏とのまさかのバッティング。標高1180m付近から残雪が登場し1200m肩から連続するようになるが、尾根が痩せると雪が落ちてアスナロ籔。山頂は反射板あり。周囲は刈り払われ、山頂のすぐ北側からビンズル沢方向に下る刈り払われた管理道あり




須田貝ダム近くのゲート 通行可能時間
使った尾根と日崎山 湖にボートを入れる順番待ち行列
(登山者は行列に加わる必要無し)
駐車場 偶然にも私の後ろの車がDJF氏だった
ここで進水させる。これで行列ができるわけだ 建物の奥がダム本体
案内図。慰霊碑からちょっと進んだ場所に梯子があり、そこから尾根にとりついた
奥利根湖から見た小沢岳、幽の沢山、イラサワ山。イラサワ山は近くに見える
ダム上を対岸へ 左岸下流に廃林道が見える
対岸に到着。慰霊碑手前で通行止め 通行止めの奥へと進む
この梯子を登って法面をクリア 梯子は2段に分かれている
梯子終点 廃林道を右に横移動。奥に別の梯子がある
この梯子を登る 廃林道
急な斜面を強引に登る。落ち葉で滑りやすい 尾根に乗る。灌木ありだが濃くない
ダム建設当時に使ったものか? 981m峰。籔は薄い
ペットボトルの残がい しばらくは歩きやすい植生が続く
1050m付近でちょっとだけ雪が出てくる 1080m峰てっぺんはアスナロ籔
1080m峰を過ぎると再び籔が薄まる 1110m付近。徐々に笹が深くなる
1150m付近。背の高い笹が中心 1180m付近から尾根南直下に断続的に残雪登場
1200m付近で尾根が広がり残雪がつながる 1300m峰への登り。どうにか雪が連続
でも一部で途切れる 1300m峰から見た尾瀬方面
1300m峰から見た小沢岳方面 1300m峰から見た小沢岳
1300m峰から見た幽の沢山山頂 1300m峰から見た1360m峰
1300m峰付近から見た谷川岳方面 1280m肩から雪が落ちて尾根上を進む
1280m肩から見た小沢岳、幽の沢山 1270m鞍部付近。アスナロ籔
1290m付近。断続的に残雪があるが続かない 1320m付近。北側を迂回中
1320m肩直下から残雪がつながる 1360m峰
>
1360m峰から見た尾瀬方面
日崎山向けてもうちょっと 熊の糞? 微妙な大きさで判断に迷う
1340m付近。雪が割れて灌木尾根を進む 1350m付近。もう籔は無し
奥が日崎山山頂。DJF氏が到着直後 日崎山山頂。大きな反射板あり
すかいさんの山頂標識 尾瀬へつながる尾根。まだここは籔は薄い
日崎山山頂すぐ北側からビンズル沢方面へ下る刈り払われた道 雪は締まって全く沈まない
小雨が降り始めた中、1360m峰に向かう 帰り道、1300m峰は巻いた
1140m付近。笹の中 1090m付近
981m峰を越えて急斜面を下る 廃林道
「堤頂移動観測室」と書かれている 施錠されておらず、内部は新しげな箱あり。地震計?
上部の梯子 下部梯子の途中から
ダム湖畔に到着


注:私がこの文章を書き込む前にDJF氏の文章が書き込まれているが、DJF氏の作文を読む前にこの文章を書いており、お互いに独自の視点での表現となっているはず。お互いに記憶が間違っている個所があるかもしれないが、どちらが正しいかは本人にも分からないだろう(笑) 両方の記録を読んで参考にして欲しい。


 大型連休中にイラサワ山、幽の沢山、三ッ石山に登ったことで、矢木沢ダム、奈良俣ダム源流部の地形図記載の山で未踏峰は日崎山だけとなった。ここは矢木沢ダムから登るのが最も短距離で、しかも藪を避けるために残雪期に登るのが賢明な判断。しかし矢木沢ダムへの管理道路が開通するのは例年だと5月に入ってからで残雪期としては終盤に近く、開通直後に狙うのが常識的判断と言えよう。今年は5/8(金) 6:00開通との情報なので翌日の5/9(土)に入ることにした。残念ながら天気予報は下り坂でお昼前から雨の予報だが、今回のコースは短いし標高差も大したことはなく濡れた藪漕ぎでも許容範囲とした。もちろん、乾いた藪を漕ぐ方がいいのだが、今の時期は1日で雪解けが相当進んでしまう。特に雨の日は雪解けが一気に進む。

 金曜夜に出発して関越道下牧PAで仮眠。どうせゲートが開くのは6:00なので今回は現場にのんびり入って大丈夫。深夜料金の時間帯に水上ICを下りて利根川沿いを北上、藤原ダム下流の橋に向けて下ると路上に車の列が登場。手前の広場に車が1台止まっていたが私のように車中で仮眠だろうか。大きなボートを牽引した車の後ろで列に加わり少々仮眠してから朝飯を食っていると数台の車が追い越していき、少しして列が動き出した。朝飯を中断して運転席に座って前方の車の後を追う。付近の山肌には残雪はほとんど見られないが、これは覚悟のことだ。

 管理道路を進んで矢木沢ダム堰堤右岸側に上がると再び行列が。少しの間それに従ったが、ボートを引いていない後続車が追い越して駐車スペースへ入るのを見て、この列はボートを湖面に乗り入れるための列だと悟った。始めて来た場所なのでルールを知らないから仕方ない。重鎮氏の記録では駐車場はいっぱいになるそうなので最初から詰めて駐車した方が良かろうとダムに近い位置に止まっていた白い車の横に駐車。外に出ると隣の車の主もザックを取り出していて、その顔はDJF氏だった。まさかのバッティング。天気はイマイチだが日崎山に登るのに最適な日なので藪屋が誰かいるかもしれないと考えはしたが、まさかのラスボスが登場とは(笑)。ちなみに我々は普段連絡を取り合うようなことはしておらず、完全独立で行動している。イベントごとでもない限りは山で出会うことは滅多にない。山で熊に会う確率の方が高いくらいだ(爆)。最後に会ったのは2008年7月17日の仙丈ヶ岳から仙塩尾根のはず。

 DJF氏は長靴に軽装で出発。私は朝飯の途中だったが天候の心配もあって山頂で残りを食うことにして少し後から出発。念のためピッケルに12本爪アイゼンをザックに入れる。今回は尾根下部は雪はないし藪が出てきてピッケルが藪に引っかかる可能性が大なので、ピッケルの頭をザックの底に向けるようにしてザック内部に突っ込んだ。今日は荷物が少ないのでこんなことも可能だ。結局、アイゼン、ピッケルとも出番は皆無だった。

 ダム湖の北側には1週間前に登った小沢岳、幽の沢山、イラサワ山が見えている。イラサワ山はかなり近い場所だがこちら側からではボートがないとアプローチできないのが痛い。船着場では1隻ずつ湖面にボートを進水させているが、これに時間がかかって車列ができているようだ。

 ダム堰堤手前に建物があり、そこにトイレがあるので立ち寄る。階段を下ってダム堰堤を渡って対岸へ。既にDJF氏の姿はない。話し合ったわけではないが、こんな場面でもお互いに気遣い無しでいつもと同じように単独行が暗黙の了解だ。今回は同じ尾根を使うので、別行動と言ってもほとんど同じルートになるだろうが。

 ダムを渡り終えると対岸は上流側に舗装された広場があって、その先は簡易型の柵が渡されて観光客がこれより先に入らないようになっているが、この付近の斜面はコンクリートが吹きつけられた法面で登ることは不可能なので、柵を跨いで先に進む。僅かな残雪を踏んで木製の柵の脇を抜けると水色の梯子が登場。これはネットの記事で見た覚えがある。これを使えば法面上部まで簡単に登れる。

 急な梯子の次は緩やかな梯子を登って法面上部へ。踏跡くらいあるかと思ったが何も無し。今は廃道状態らしい。ここは廃林道のように斜面が削られて棚のような場所が横に続くが、右手奥に別の水色梯子が見えたのでそちらに向かう。途中にあった僅かな残雪上にはDJF氏の足跡あり。

 梯子を登ると再び廃林道が登場。右手には古ぼけたコンクリートの小さな小屋。外見は今は使われていないと思えるようなものだが、帰りがけに覗いてみたら「堤頂移動観測所」と書かれていた。固定された建物なのに移動観測所とは? 中身は新しい金属製のカバーを被った物体が収まっていた。DJFと私の判断はどちらも地震計だったが、建物の名前と一致しないのがちょっと。もしかしたら途中で用途が変わったのかもしれない。

 これより上部は梯子はなく、どこも同じような立ち木が少ない急斜面なので強引に登るしかない。落ち葉で滑りやすく潅木に掴まりながら登った。ピッケルを出そうかとも思ったが木の多い個所を通過してどうにかクリアした。こういう場所は逆に藪が濃い方が助かるのだが。

 尾根に乗ると潅木が少し邪魔だが細くて背が高く根元はそれほど枝分かれしていないので通過は容易。コンクリートの基礎らしき構造物あり。ダム建設当時の索道用だろうか。少し高度が上がると潅木は消えて背の高い樹林が主体となりさらに歩きやすくなった。981m峰は可憐な花を咲かせた低い石楠花が点在するが立った石楠花ではなく地面を這うような低い石楠花なので大きな障害にはならなかった。ここでペットボトルの残骸を発見。ボロボロなので相当古ものだろう。

 鞍部へと下ると石楠花が消えて地面が露出、非常に歩きやすい尾根だ。植生は主にアスナロだが幼木は皆無なので藪がない。雪が無いので先行しているはずのDJF氏の足跡は基本的に残らないが、地面をよ〜く見ると僅かな凹みや土の表面の乱れで足跡が判別できることがある。私はわざわざ足跡を追うようなことはしなかったが、結果的にには2人のミクロなルート判断はほぼ同じで、時々注意して地面を見ると彼の形跡が頻繁に見つかるのであった。藪山についての経験は2人とも同レベルであり、地形や植生によってどう進むかの判断はほとんど重なっているようだった。ある程度距離が離れているようで、先行するDJFの姿は見えないし気配も感じられない。

 標高1050m付近で尾根南側に僅かな残雪が登場するが、この先は雪は繋がっていなしまだ尾根上の藪は薄いのであまり利用価値はなかった。1080m峰てっぺん付近のみアスナロ幼木藪が出現するが大した藪ではなく楽々通過。帰りは獣道らしき筋を辿って北側斜面を迂回した。

 標高1100m付近に達すると徐々に笹が深くなってくる。背丈を越える熊で茎は太く密集していたら激藪だが、ここは密度はそれほどでもないので割と簡単に掻き分けて進むことができる。視界が制限されるが尾根は一本調子の登りなので登りでは迷う心配は無し。

 標高1180m付近から尾根南側に残雪が見られるようになるので乗り移るが、最初は雪は長続きせず途切れてまた藪尾根へ逆戻り。このように尾根直上からずれたところから尾根に復帰するには横を向いた笹や潅木を潜り抜ける必要があって、尾根直上のまっすぐ立った笹や潅木を通過するよりずっと苦労するのだ。何度も雪が断続して横向き藪横断を繰り返すようなら素直に尾根上の藪を漕いだ方が楽なのでルート判断が難しい。藪で先が見えなかったり尾根が微妙に曲がっていたりすると先の様子が見えないのでさらに難しくなる。DJF氏の足跡も雪の上にあったり無かったりだった。

 何度か藪の横断を繰り返したが徐々に雪のつながりが良くなってきて、標高1200mで傾斜が緩んで尾根が広がると同時に残雪が広範囲に現れて笹が消えた。背の高いブナが立ち並び新緑が眩しいくらい。ここで植生が切り替わって歩きやすくなりスピードアップ。前方には雪上を歩くDJF氏の姿が見えた。

 1300m峰まではほぼ雪が連続し藪は無いが、部分的に傾斜がきつい場所もあり締まった雪なのでノーアイゼンだとキックステップを切らないと登れない場所もある。私は靴底の固い登山靴だからまだマシだが、靴底が柔らかい長靴のDJF氏はこの技は使えないから急斜面を避けて潅木藪との境界を登ったりしていた。

 1300m峰は雪庇で東側の展望が得られ、これまで見えなかった尾瀬の山々が見通せた。今週末もまだマイカー規制前なので入山している人は多いかもしれない。北側は立木の隙間からまだ白い小沢岳や幽の沢山が見えた。

 この後は山頂まで残雪が続くと思いきや、そうは問屋が卸さなかった。南下して1280m肩から下りにかかると尾根が痩せて両側とも雪が落ちてしまっていて尾根上のアスナロ藪の中を進む。幸いにして本城山のような足が地面に付かない濃密な藪ではないので割と楽に進むことができた。

 1270m鞍部から1360m峰の登りに変わるもしばらくは残雪はなく、1290m付近から右側斜面に断続的に雪が現れるが長続きしない。たまに北側の方に雪が残っていたり藪が薄かったりすることもあり、左右を見ながら楽そうなルートを進んでいく。

 1320m肩付近から残雪が繋がるようになり1360m峰へ。ここも1300m峰同様に東方面の樹林が開けている。今度こそ山頂まで残雪が続くと思ったらまだ潅木藪を突っ切る個所が2箇所ほどあった。1330m鞍部付近では雪の上に糞あり。大きさからして小動物のものではないが熊にしてはちょっと小さいような気がする。でもこの付近でそこそこの大きさの体をもってこの形の糞をするのは熊くらいしか思い当たらないなぁ。そういえば今回は雪の上に熊の足跡は見なかったし熊棚も気付かなかった。この界隈に熊がいないわけはないと思うが、尾根上のアスナロ樹林よりも斜面のブナ林の方が餌は豊富なので、あまり上がってこないのかもしれない。

 最後の短い潅木帯を通過すれば山頂まで残雪の連続。たぶん積雪期は立派な雪庇なのだろうが今は土手のように盛り上がりが溶け残るのみ。その先端が山頂で既にDJF氏が到着しているのが見えた。

 日崎山山頂は笹藪が刈り払われて大きな電波反射板が設置されていた。反射板の鉄骨にはすかいさんの山頂標識あり。それに何も書かれていない黄色いリボンが結び付けられていたが、その材質からして「T.K フジオカ」さんだと思われた。南側と西側は樹林が開けてそこそこ展望があるが、今日の天気は下り坂で煙ってしまい遠くまで見通せなかった。刃物ヶ崎山方向は樹林が邪魔して見えないのが残念だ。先週登った小沢岳方向も樹林の向こう側だった。尾瀬へと繋がる尾根はブナとそれほど濃くない笹だが、これが最後まで続くわけではなかろう。矢種山までまだまだ距離がある。

 今回のコースは大した労力は使わなかったので疲れる前に山頂に到着した感があるがここが本日の最終ゴールなのでのんびり休憩。しばしDJF氏と語り合う。北ア硫黄尾根の赤岳はどうするのか聞かれたが、クライミングの練習をまじめにやってから残雪期に中山沢から往復と回答しておく。地形図の赤岳山頂直下は残雪期でも雪が落ちてしまっていて岩登りが必要とのこと。高所作業用の安全帯と耐荷重約200kgのロープで臨んだ南ア北部の離山とちがって、ここに入るにはちゃんとした装備と技術が必要だろう。

 お互いにもういい歳で、山の中はいいが下界に降りてから体力が回復するまでに時間がかかるようになっていることも自覚。なお、DJF氏は孫がいるお爺さんである(と呼ぶには若いけど)。kumo氏を筆頭とする藪山の先人は我々よりもっと歳を重ね、厳しい山をこなすことは年々難しくなっていることだろう。リタイヤ後は時間の余裕はできるが体力的な余裕が無くなってくるのが悩ましいところ。たぶん私が定年を迎える頃は定年65歳は当たり前でヘタをすると70歳まで働くのが当たり前になっている可能性が高い。年金が受け取れるようになる前に死なないように注意しなければ。

 山頂にてDJF氏のGPSを見せてもらう。カラー化したばかりの頃のeterxだから結構古い機種だが地形図表示が可能。でもDJF氏はGPSなど見ないで歩いていた(私もそうだが)。2人とも山頂の答え合わせ専用に近い使い方だ。私のは白黒画面で地図表示機能は無いが小型なのがいいところ。いざというときは地図が表示できなくても点線で表示された往路の軌跡が出るだけでも役立つ。今回はGPSの画面を見たのはこのときだけで、あとは出発時と車に到着時に電源を操作しただけだった。

 ポツポツと小雨が降り出したが本降りになるまでにはまだ時間はあるだろうとのんびり出発。その前にDJF氏が1365m峰へと続く尾根上に巡視路が存在しないか確認しにいったが道はないとのこと。反射板周囲の笹は明らかに刈り払われていて、おそらく昨年秋だろうと思われるくらい新しく、刈られた笹は全く伸びていない状態。ヘリでやってきてここだけ刈り払うことも可能だろうが、ダムからそれほど距離があるわけではなく巡視路があってもおかしくない。それにすかいさんの記録でも道があるとの記述があった(ただしその表現からは具体的にどこにあるのか判断できない)。出発してすぐ、往路では気付かなかったが山頂より僅かに北側の個所で西へと下る刈り払われた道をDJF氏が発見! ここは尾根ではないので、たぶんこのままビンズル沢へと下っていると予想された。今の地形図では送電線が書かれていないが、ダム左岸側のビンズル沢左岸尾根の標高830m付近に送電鉄塔があり、そこに続く破線がある。往路の感じだと破線はおそらく廃林道だろう。送電線があるからには鉄塔の巡視路があるはずで、おそらく破線の廃林道がそれだろう。その廃林道のどこかから反射板用巡視路が分岐している可能性が高いと判断した。現場では頭が回らなかったが、帰ってから考えてみると廃林道ならビンズル沢に橋がかかっている可能性が高く、もしビンズル沢左岸側に巡視路入口があっても渡渉は不要な可能性が高いと思えた。ただし、今の時期は沢沿いは雪が残って巡視路が埋もれて正確なルートを追えない可能性が高いだろう。誰か無雪期に巡視路探しにチャレンジしてみたらどうだろうか。発見できれば日崎山は無雪期登山のお手軽な山に変わるだろう。

 下山は同時出発でDJF氏が先頭で下っていく。2人でしゃべりながら歩くと写真撮影のタイミングは少なくなるし、ルートファインディングの精度も落ちるのはしかたない。1300m峰南の1280m肩では南西に落ちる太い尾根に引き込まれそうになったし、他にも違う尾根に入りそうになったり。単独と比べると緊張感に欠けるし、無意識に他人に頼ってしまう面があるのだろう。栃木の藪山達人が単独ではなく数人で山に入って尾根を間違えた例も知っているし、我々のような普段は単独で藪山を歩く連中はパーティーの方がかえってルートミスしやすいようだ。

 DJF氏のザックカバーが藪で外れかけたところで私が先行。1200m肩を通過してもう残雪が途切れ途切れの笹藪尾根の途中で、雪の上に足跡はないので尾根を間違えないように慎重に進む。この尾根はもともと目印皆無だし、今回は私もDJF氏も目印は一切付けなかったので今の自然のまま。この方が歩いていて面白みがあっていい。

 尾根が明瞭なこともあって枝尾根に引き込まれることもなく981m峰に到着。この先は尾根は不明瞭なのでダム目がけて適当に下降。傾斜ができるだけ緩い場所を歩いていたらやや北側にずれたことがダムの位置から判明して途中から左にトラバース気味に下る。傾斜は急だが私が登った往路の斜面よりも木が多く掴まりながら下ることができた。

 うまい具合に階段最上部で廃林道に着地。往路で見たコンクリート小屋の中身を見物してからダム湖岸へ降り立つ。ここまで雨は小降りでゴアを着るほどではなかったが、濡れた笹の中を歩いた区間もあったので微妙に衣類が湿っていた。

 私は最後にトイレに立ち寄ってから駐車場へ。雨の降り方は本降りではないが小雨と表現するにはやや強い程度。この後に高平山を予定していたが微妙な情勢だ。DJF氏は温泉に立ち寄ってから帰るとのことでここでお別れ。もうどこかの山で偶然会うことはないかもしれない。今回のように制限事項のある山だからこそタイミングが合ったが、普通の山では難しい。残った高山の傾向が似ていればまだ確率はあるが、2人で共通の未踏峰は結構バラけている。まあ、死ぬまでにもう1回くらいはあるかな。その面でもなるべく長生きしなければ(笑)

 

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